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社長メッセージ

既存事業の確実な成長と
その事業範囲を超えた成長を目指し
人々や社会のニーズとさらなる期待に応え
心豊かに暮らせる持続可能な社会の発展に貢献する

代表取締役社長 石井 茂

皆さまには日頃よりソニーフィナンシャルグループに対し格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。中期経営計画が2年目に入ったこのタイミングで、改めて私たちの中期計画への思いや、本年4月に制定したソニーフィナンシャルグループの新たな企業理念である「ミッション・ビジョン・バリュー」、そして6月に行った経営体制の刷新の目的をお伝えしたいと思います。

世界が変わるほどの環境変化

現在の環境変化は、加速度的に、かつ質の面でも劇的に進行しており、10年も経つと別世界が出現すると想定しています。過去10年を考えても、さまざまな技術進歩が私たちの生活に影響を与えただけでなく、家族構成なども変化しました。ソニーフィナンシャルグループは、市場が停滞する中であっても、お客さまの多様化するニーズをくみ取りつつ新たなサービスを提供してきました。その結果、ソニー生命は着実に保有契約を増やして生命保険市場におけるシェアを拡大し、ソニー損保もダイレクト自動車保険のトップとして成長し続けてきました。また、ソニー銀行は個人の外貨預金の市場ではメガバンクに次ぐ規模となり、住宅ローンも着実に増大させています。このようにソニーフィナンシャルグループ各社は既存のプレーヤーの中で十分に存在感を高めています。

ただ、問題は今までの事業展開の延長線上に未来を想定するのは楽観的にすぎるということです。技術進歩や人口動態の変化だけでなく、長期的な低成長の継続という経済環境の変化が企業に影響を与え、「顧客本位の業務運営」に代表される金融サービスへの期待の変化などによって、金融サービスのあり方、企業のあり方そのものも問われることとなります。金融サービスは、従来の金融機関だけのものではなくなり、すでに決済の分野では銀行以外のプレーヤーが登場し、そのための制度も整えられつつあります。ディスラプト*されるか、されないかの厳しい世界で生き残っていくためには、新しい価値提供が欠かせません。技術を背景に付加価値をさらに提供することこそ、私たちが一段の成長を果たす道です。私たちはかつて既存の金融サービスのあり方をより合理的な形で提供することに活路を見出し、それぞれの事業で新規参入を果たしてきました。ここでもう一度お客さまに実感していただける新たな価値を提供することで次の飛躍を果たし、持続的な成長を実現していきたいと考えています。

*Disrupt(ディスラプト)=破壊

2つの挑戦

中期経営計画はこのような考えに基づき、向こう10年の変化を見据えたうえで、足元の3年という時間を使ってどのように備えるのか、何にどのように挑戦するかについて考えたものです。ソニーフィナンシャルグループが持続的成長のために超えなくてはならないハードルは、性質の異なる2つの挑戦を行わなくてはならない点にあると考えています。既存の事業については、現在の業務を改善し、より正確さを高める方向で磨いていかなくてはなりません。一方で、環境の変化に対しては既存事業のアセットを活用しつつ、現在の延長線上にはない新たな価値を提供していきます。いわば異質の考え方を受け入れ発展させるということです。

既存事業が本来的な成長を続けるために、各社における活動の自由度をより高くすることで、着実な成長をするとともに、環境変化に対応して既存事業の範囲を超えた成長も目指していきます。過去の成功体験にとらわれることなく、ソニーグループの技術も最大限活用しながら、お客さまの期待を上回るサービスを提供していきたいと考えています。

中期経営計画の具体的な動きのひとつとして、2018年にはベンチャーキャピタル事業を担うソニーフィナンシャルベンチャーズを設立しました。Fintechなど金融分野における新たな動きにおいて独自の強みを持つベンチャー企業と、出資をともなう連携・協業を進めることによって、ソニーフィナンシャルグループ各社の既存ビジネスを強化するとともに、付加価値の高い新たな金融サービスを創出していきます。ベンチャーキャピタル事業を展開することによって、私たちは金融機関として今絶対に押さえておかなければならないFintechの最前線にアクセスできるようになります。最前線の現場を深く知るだけでなく、協業の可能性についても早い段階から視野に入れて動けるようになる点も重要なポイントだと考えています。

経営基盤強化に向けて

お伝えしたような変革を進めるためには、しっかりとした推進・管理体制を整えることも必要です。そのためには、ガバナンスの強化が不可欠です。この点については、株主の皆さまからも強く求められているところでもあります。そこで、「既存事業の成長」と、変革の実行による「既存事業の範囲を超えた成長」という2つの挑戦に対する基盤を充実させるべく、ソニーフィナンシャルグループのガバナンス体制を強化しました。具体的には、「監督と執行」を分離する目的でソニーフィナンシャルホールディングスの取締役会構成を見直しました。取締役会を10名で構成し、うち4名を社外から、3名をおよそ65%の株式を保有するソニー㈱から迎え、3名をソニーフィナンシャルホールディングスの常勤取締役とすることで先日の株主総会で了承をいただきました。

これまで効率性の観点から主要子会社の社長はソニーフィナンシャルホールディングスの取締役も兼務していましたが、この厳しい環境に対処するためには、各事業の執行により専念することが望ましいと判断したものです。

ソニーフィナンシャルグループの原点の追求とサステナビリティ

中期経営計画のテーマは、新たな成長への挑戦です。次の成長を目指す中で、ソニーフィナンシャルホールディングスは長期視点で持続的な価値を創出していくことが必要です。その中で、生命保険、損害保険、銀行、介護など幅広く事業を展開するソニーフィナンシャルグループの立ち位置を原点に戻り改めて見直しました。そして、さまざまなステークホルダーの心を豊かにしていきたい、持続可能な社会づくりに貢献していきたいという思いのもと、各事業に携わるグループ社員全員がひとつの方向に進んでいくためにグループの「存在意義(ミッション)」、「目指す姿(ビジョン)」、そして社員一人ひとりが大切にする「価値観(バリュー)」についても言語化しました。

私たちは、ビジョンに掲げたように付加価値の高い商品・サービスを提供することが、ソニーフィナンシャルグループとして期待されていることと、とらえています。ビジネスのやり方は変革を迫られていますが、「お客さまのために」という原点に基づいて私たちが提供しているサービスは、人々の生活がある限り求められます。私たちは、お客さまに最高のサービスを提供し、こうした人々や社会の本来的なニーズと、さらにこうであればうれしいという期待に新しく応えることで、社会に貢献していきます。その結果として持続的な成長も実現し、すべてのステークホルダーの心が豊かになり、それぞれに果実を受け取るというWin-Winの関係を築くことができると考えています。私たちはその実現に向けて力を尽くしていきます。

引き続きのご支援、ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。

2019年7月

ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
代表取締役社長
石井 茂