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マネジメントメッセージ

藤方 弘道・徳中 暉久・井原 勝美

2008年度を振り返って

2008年度は、特に下期以降、世界の金融市場が激変し、世界的な不況へと拡大した1年となりました。ソニーフィナンシャルホールディングスグループは、グループ各社の業容拡大に加え、グループ内の連携強化による相乗効果を発揮するとともに、経営体制を一層強化することで、グループ価値を持続的に成長させてまいります。

Q: 2008年度を振り返り、経営環境と連結業績を総括してください。

A: 米国に端を発した金融市場の混乱は、各国の実体経済に多大な影響を及ぼし、世界的な不況へと拡大しました。わが国経済も円高や株価下落などにより、設備投資の抑制や雇用調整の動きが強まり、個人消費も低迷するなど深刻な状況が続いています。

当社グループにおいても、株式市場や社債市場の影響などにより、ソニー生命を中心に保有有価証券の減損処理等が増加し、連結業績にも影響を与えました。2009 年3月末のソニー生命の市場整合的エンベディッド・バリュー(MCEV:生命保険会社の企業価値を図る指標の一つ)についても、2008年3月末の8,165億円から4,009億円と大幅に減少しました。これは、株式、社債市場の影響に加え、2009年3月末における金利環境を反映した結果です。

一方、当社グループの業容は着実に成長し、生命保険、損害保険、銀行の3事業すべてにおいて経常収益が増収となりました。また、顧客満足度調査などの外部評価においても、引き続き高い評価を得ることができたことは、当社グループの不断の取り組みをご支持いただけたものと考えています。

当社の連結経常収益は前年度比4.6%増の8,603億円となりました。グループ各社の業容を見ると、ソニー生命は、保有契約高の伸展にともない保険料等収入が増加しました。ソニー損保も自動車保険の保有契約件数が2008年12月末で100万件を突破するなど、保有契約件数の増加により正味収入保険料が増加しました。また、ソニー銀行も預かり資産(預金と投資信託の合計)残高が1兆4,036 億円まで増加しました。

一方、連結経常費用は3事業ともに増加し、前年度比6.2%増の8,260億円となりました。これは、ソニー生命で有価証券の減損処理など資産運用費用が増加、ソニー損保では自然災害による支払保険金等が増加、ソニー銀行では資金調達費用等が増加したためです。この結果、3事業いずれも減益となり、連結経常利益は前年度比23.0%減の342億円となりました。なお、特別損益において、主にソニー生命で価格変動準備金の一部を取り崩したことで特別利益204億円を、また主にソニー損保で固定資産(ソフトウェア仮勘定)を除却したこと等により特別損失39億円を計上しました。その結果、当期純利益は前年度比26.7%増の307億円となりました。

業容拡大に向けた取り組みとして、2008年度は個人年金保険を開発、販売する合弁会社の設立準備資金としてソニー生命に100億円を、さらに業容が急拡大しているソニー銀行に自己資本充実のために120億円の増資を実施しました。

Q: 2008年度における各事業の取り組みについてお聞かせください。まず、生命保険事業からお願いします。

A: ソニー生命では、「ライフプランナーバリュー」をスローガンに掲げ、お客さま視点に立ったソニー生命ならではのサービスの提供に努めています。ライフプランナー(営業社員)やパートナー(募集代理店)によるコンサルティングセールスを通じて、お客さま一人ひとりのライフプランに合わせたオーダーメイドの保障を提供するとともに、ご契約後のアフターフォローにより一層注力することで、お客さまの信頼をさらに高められるよう努力しています。

2008年度は、コンサルティングセールスの徹底とアフターフォローの強化を継続した結果、新契約高・保有契約高ともに前年度実績を上回ることができました。ソニー生命の成長には、ライフプランナーをはじめとする販売チャネルの質・量両面での強化が欠かせませんが、2009年3月末のライフプランナーの在籍数は3,891名と前年度末より増加しております。

商品面では、2008年10月に、解約返戻金のない仕組みを導入することで、合理的な保険料の提供を実現した『無解約返戻金型平準定期保険(無配当)・無解約返戻金型平準定期保険特約(無配当)』を発売しました。

また、フィリピンに続く海外展開への準備として、台湾・香港・中国本土をカバーする大中国圏の金融・生命保険市場の調査を目的に、2008 年10月に中国・北京に、2009年7月に台湾に新たに駐在員事務所を開設いたしました。

Q: 次に、損害保険事業の取り組みについてご説明ください。

A: ソニー損保は、インターネットや電話を使った「ダイレクト保険会社」というビジネスモデルを展開し、お客さまとの直接対話を通して、合理的で質の高い保険サービスを提供しています。「"Feel the Difference"~この違いが、保険を変えていく。~」をスローガンに、ソニー損保ならではの「価値」と「違い」を感じていただけるよう、お客さまに深くコミットしたサービスの実現に取り組んでいます。

2008年度は、テレビコマーシャルを中心とした広告展開を継続しつつ、インターネットを通じた新たな広告展開にも取り組みました。この結果、自動車保険とガン重点医療保険の合計保有契約件数は、2009年3月末で115万件と順調に増加しました。特に、自動車保険は2008 年12月末(発売開始から9年3 ヶ月)に保有契約件数が100万件を突破しました。

商品面では、自動車保険の保険開始日が2009年2月1日以降の自動車保険で新規のお客さまがインターネットを通じてお見積り・ご契約された場合の割引額を拡大しました。また、2009年1月からウェブサイトに保険セレクションコーナーを新設し、ソニー損保の推奨商品第1弾として、アニコム損害保険株式会社との提携によるペット保険の販売を開始しました。

サービス面では、自動車保険において、ご契約1年目の方にも安心してロードサービスメニューをご利用いただけるよう、レッカーサポートの無料牽引距離を継続契約の方と同等の距離まで延長しました。さらに、新たなご契約者特典として、レンタカーやレジャー施設の利用を優待価格でご提供する「カーライフ割引サービス*」も開始しました。事故解決サービスの面でも、東京の事故受付サービスセンターに加え、2008年7月に札幌事故受付サービスセンターを新設し、事故受付体制の強化を図りました。

Q: 銀行事業の取り組みは、いかがだったでしょうか。

A: ソニー銀行は、インターネットを通じて個人のお客さまを対象に資産運用を中心とした利便性と質の高い金融商品・サービスを提供しています。2008年度は、2001年6月の開業以来築き上げてきた経営基盤や、ソニー銀行独自の優位性を最大限活用し、成長を加速することに重点を置き、商品・サービスの強化、信頼性の向上に取り組みました。

商品・サービス面では、2008年5月に、外貨運用の選択肢として外国為替証拠金取引の取り扱いを開始し、大変ご好評をいただいております。また同年10月に、お客さまが貯めた外貨を使う機能として、2通貨決済機能付クレジットカードの取り扱いを開始するなど、主力商品の一つである外貨サービスを強化しました。

ソニーバンク証券との金融商品仲介サービスでは、2008年10月、株式などの購入代金や売却代金を銀行・証券間で自動的に振り替える「資金スイープサービス」の取り扱いを開始し、利便性を高めました。投資信託では、ラインアップの拡充や販売手数料体系の見直しを行うなど、サービスを強化しました。住宅ローンは提携を強化しており、2008年度は新たに株式会社セブン銀行を銀行代理店とするなど、販売チャネルを拡充しました。

また、振り込みによる不正出金等への対応策として、1日あたりの振り込み限度額の減額設定をインターネット上で可能にするなど、セキュリティの向上にも努めました。以上の結果、2009年3月末のソニー銀行のリテールバランス(お客さまの円預金、外貨預金、投資信託、個人ローンの残高)は、1兆8,807億円と、前年度末から順調に成長を続けております。

Q: ソニーフィナンシャルホールディングスグループのシナジー効果はどのように発揮されていますか。

A: 当社グループでは、各社の業容拡大に加え、各社間の連携強化による相乗効果を発揮すべく、それぞれの営業基盤を活用し、相互に関連商品を販売するクロスセルに注力しております。特に、ソニー生命のライフプランナーのコンサルティング能力を活用したクロスセルは大きな成果を上げています。2008年度は、ソニー損保の自動車保険新規契約件数の約6%、ソニー銀行の住宅ローン新規融資実行金額の約30%が、ライフプランナーの取り扱いによるものとなっています。

Q: 2008年度下期以降、金融市場が未曾有の混乱をきたしました。ソニーフィナンシャルホールディングスグループの財務健全性は確保されていますか。

A: 財務健全性を表す指標としては、保険業界では保険金等の支払余力を示すソルベンシー・マージン比率、銀行業界では自己資本比率という指標があります。2009年3月末時点で、ソニー生命とソニー損保のソルベンシー・マージン比率はそれぞれ2,060.5%、993.0%と、業界でも高い水準を維持しています。また、ソニー銀行の連結自己資本比率(国内基準)も2009年3月末時点で13.25%(平成20年(2008年)金融庁告示第79号の特例**を適用しない旧来ベースでも11.08%)と、海外拠点を有しない銀行に求められる銀行法上の健全性基準である4%を大きく上回っております。

2008年9月に米国リーマン・ブラザーズが経営破たんした影響等から、2008年度下期に入って、金融資本市場は大きく変動しました。ソニーフィナンシャルホールディングスグループは、市場全体の影響は受けたものの、サブプライムローン関連およびリーマン・ブラザーズ関連の有価証券は保有しておりません。昨今の厳しい環境下においても、ソルベンシー・マージン比率や自己資本比率など、財務状況は健全な水準を堅持できていると考えております。

Q: 最後に、ソニーフィナンシャルホールディングスグループの成長戦略をお聞かせください。

A: グループ各社は、いずれも業界他社と異なる事業モデルを構築することで差異化を図り、合理的かつ利便性の高い商品・サービスを個人のお客さまに提供してまいりました。今後も各社の優位性をさらに強化することで成長を続け、それぞれの業界におけるプレゼンスを確固たるものとしてまいります。

また、グループ各社の連携をより一層深めることで、商品・サービスの提供や販売チャネル・インフラの共有化、相互活用などを通じてグループとしての相乗効果を高め、従来の金融機関が提供できなかった付加価値の高い商品・サービスを提供していきます。同時に、既存の枠組みを超えた領域での新規事業展開についても積極的に検討し、グループ企業価値の向上を図ってまいります。

さらに、業容の拡大にともない、経営体制を一層強化することを目的として、2009年6月23日付で代表取締役を3名体制とし、新たに井原勝美が経営陣に加わりました。ソニーフィナンシャルホールディングスグループの経営基盤ならびに事業のさらなる拡充に向けて、全力で取り組んでまいります。皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

*カーライフ割引サービスはソニー損保が提携する企業からのサービス提供となります。
**金融機関の自己資本比率について、「その他有価証券評価差損」を控除せずに算出する特例。

2009年7月1日

ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
代表取締役社長 徳中 暉久
徳中 暉久

ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
代表取締役副社長 藤方 弘道
藤方 弘道

ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
代表取締役副社長 井原 勝美
井原 勝美